理想的なセラピードッグは、人間が大好きで豊かな喜びの表現で他者と触れ合うことができ、しかも飼い主との間に十分な信頼関係が形成されていて、飼い主の命令に喜んで従う犬です。他の犬に対する友好性は求めません(攻撃性は困ります)。
試験中に興奮して吠える、大型犬の飛びつくなどの行動は判定を下げます(特に活動の場では「吠え」の問題が重要視されます)。犬を常にハンドラーの制御下に置いて下さい。
但し、きつい調子の命令、リードを引くことは減点対象です。あくまでも犬とのコミュニケ-ションは穏やかな言葉を用いて、優しいハンドリングを心がけて下さい。
高齢者や病人は強い口調や体罰を嫌います。他人が見て微笑ましい飼い主と犬との関係が求められます。
攻撃行動をとった時、検査途中で排泄をした時、犬が非常にストレスを感じていると試験官が判断した時に検査は中止となります。
A 対人性テスト(潜在性のテスト、紐付き)
犬を大きな教室に通します。犬が環境に慣れ、落ち着いた頃を見計らって、怪しい素振りをした人や車椅子が犬に近寄って来ます。嫌な刺激を与えられた時に、犬がどのような行動を取るのかを見ます。
この検査の間は、飼い主さんは犬に声かけをしないで、リードを持って立っていて下さい。
犬の判断力・稟性を見ていますので、飼い主の命令や声かけにより適正な判定ができなくなります。
犬がリードを引っ張って検査官や車椅子に近づこうとしても、飼い主さんは元の位置から移動してはいけません。リードを離さないように注意して下さい。
理想的な犬は、近寄って来る人を誰であろうと嬉しそうに穏やかに迎え入れる犬です。
検査官を注視せず、周りを気にする、床の臭いを嗅ぎ続けるなどは、ストレス行動を示しています。
続けて、犬がどの程度訓練されているかを見せていただきます。訓練された犬は自信を持ちますので、多少のことでは動揺しませんし、どんな状況下であっても命令に従うことによって落ち着きを取り戻すことができます。
当然ながら、大型犬では十分な制御が求められます。小型犬であっても、検査項目程度はできるように訓練すると、日常生活にひろがりができるはずです。
検査項目は「座れ」「伏せ」「つけ」「飼い主がいない場所での休め」です。検査官の指示に従って犬に命令して下さい。
1. 「警戒性と状況判断」 怪しい素振りの人間の接近に対する反応と対応。
2. 「車椅子の接近」 声を出したりモーションを使って、充分に意識づけながら車椅子で犬に接近する。
車椅子には老人を模した人が乗る。
3. 「歩行」 ハンドラーと一緒に、人のいる屋内を静かに歩く。
4. 「服従」 停座待機、伏座待機。第三者のスキンシップによる誘惑有り。
5. 「飼い主からの別離」 3分間の休止(ハンドラーは犬の見えないところに行く)。
もしくは見知らぬ人にリードを預けて、ハンドラーが犬の視界から消える。
B マナーのテスト…実際の活動で遭遇するであろう状況を想定
実際の活動を想定して行われる試験ですので、一番重要視されます。
ここで検査官が注目するのは、犬が他の人との接触を喜ぶか、飼い主と犬との関係です。
飼い主は犬が不安そうにしていたらリラックスできるよう話しかけてかまいません。但し、検査は流れに沿って行われますので、犬への話しかけ中であっても検査官が長すぎると判断すれば、次の検査が開始されます。
但し、指定された場所でリードをしっかり握り、犬が行きたい方向に一緒に行かないでください。
理想は、近寄って来る人を誰であろうと嬉しそうに穏やかに迎え入れる犬です。
具体的な検査項目は「優しく全身を触る」「少し強く不器用に撫でる」「小型犬であれば抱っこする・大型犬であれば優しく抱きつく」などの項目です。
1. 「全身に対するスキンシップ」 見知らぬ人が犬の体を触る。耳を軽くつかむ。口の中に指を入れる。
尾および足を軽く踏む。
2. 「強い、又は不器用な撫で方に対する反応」 犬の体を揺する。犬の背を強く撫でる。
3. 「束縛に対する反応」 犬を抱きしめる。あるいは抱え込む。
4. 「犬に対する態度」 他の犬に対する態度。
C 犬体検査(公衆衛生および人畜共通伝染病への対策)
血液やぬぐい液などを採取するときの犬の態度を見せて頂きます。多少痛みを覚えることをされても受け入れられることを確認します。ひどく暴れる場合は、中止となります。
飼い主さんは犬を落ち着かせ、静かにするよう命令を出して下さい。
理想的な犬は、検査に協力的な犬です。
もちろん態度以外に、皮膚病・外耳炎・歯石のチェックなどの健康診断と、得られた材料から人獣共通感染症となる最近・ウイルス・リケッチア・虫卵の検査を行います。
犬体検査の結果が全て出るには、培養の為1ヶ月程度かかります。新規受験の犬は、当日犬体検査を終了した時点で仮合格(犬によって条件なし・条件付きに分かれます)となりますが、実際には犬体検査の結果を待って活動をして頂きます。
更新犬の合格犬(条件にかかわらず)は、活動をすぐに再開して下さい。
1. 「清潔」 良く手入れされているか。排泄物などの付着はないか。
2. 「臭気」 体臭、口臭、耳。
3. 「手入れ」 抜け毛の有無。
4. 「外部寄生虫」 ノミ、シラミ、皮膚病等。
5. 「内部寄生虫」 犬回虫症等の検便
6. 「各種細菌学的および血清学的検査」 エキノコックス・レプトスピラ感染症・キャンピロバクター感染症・ブルセラ症・サルモネラ症・パスツレラ感染症・エルシニア感染症・Q熱・ぶどう球菌症。(採血等サンプリング)
※注意※
セラピー犬適性検査では、現在新適性検査要綱が導入となりますのでご注意下さい。
